<<前のページに戻る
表紙に戻る

 (平成2年)

「音楽よ、ロマンを語れ。」
「音楽の雰囲気、余韻までも伝えたい・・・。」

ステレオ・プリアンプ
PRA-2000RG
標準価格:330,000円(税別)

■1990年2月



1.新方式「INVERTED Σ BALANCE 回路」採用のバランス出力装備

バランス伝送は、伝送ケーブルに誘導する雑音をキャンセルし、外来の雑音の影響を受けない理想の伝送方式です。このバランス出力アンプはICによるオペアンプで構成するのが一般的ですが、この方法だとダイナミックレンジ、SN比等で十分な性能が確保できません。
DENONでは、バランス伝送方式の特質を余すことなく引き出すため、新たにINVERTED?韮ALANCE回路を開発。増幅素子すべてを高性能、高品質パーツ使用のディスクリート構成とし、電源電圧を従来方式の約3倍(±47V)に高電圧化するとともに、DENON独自の無帰還技術をさらに発展させたひずみ除去回路方式により、低ひずみ率、高SN比を実現。十分なダイナミックレンジと鋭い立ち上がり特性を確保しました。

2.出力段にMOS FET採用のオールFETタイプ高性能フラットアンプ 不平衡出力段にMOS FET採用

FETは、信号伝達の時間遅れが極端に少なくて、入力インピーダンスが非常に大きく、奇数次の高調波ひずみが生じないのでアナログ信号の伝達増幅素子として、理想的な特性を持っています。本機は、CD、DAT、BS等、デジタル時代のアンプの理想を追求し、フラットアンプをFETで構成しました。
初段は、極低雑音FETの差動増幅とし、カスコートブートストラップ方式とあいまって、入出力間のフィードバックを極限まで低減するとともに、直線性を大幅に改善しました。また、MOS FET(Pc30W)採用のプリドライバー段は、初段と同様カスコードブートストラップ、P-P方式により直線性を大幅に改善し、低ひずみと高域特性の改善をはかっています。MOS FET(Pc30W)採用の終段は、ソースフォロワー回路で構成され、高入力インピーダンスと低負荷ドライブ特性を両立させ、デジタル時代のフラットアンプとして優れた伝送特性を得ています。

3.広帯域LC-OFC巻線のバランストランス採用(CD-2バランス入力)

高級CDプレーヤーなどに装備されているバランス出力に対応するため、CD-2バランス入力に広帯域LC-OFC巻線のバランス入力トランスを採用しました。このため、ICによるオペアンプ方式とは異なり、きわめてなめらかで広帯域な特性を得ています。

4.電源ノイズをカットする大型コイルを使用したLC-π型電源回路

電源ノイズを遮断するため、本機は、大型チョークコイルによるLC-π型電源回路を採用しました。

5.相互干渉を排除するユニット別定電圧電源

イコライザーアンプ、フラットアンプ、バランスアンプ、コントロール回路にピュアな電流を最短コースで供給し、各ユニット間の干渉を排除する定電圧電源をユニット別に搭載しました。

6.MOS POWER FET採用、最大許容入力500mV/1kHzの高性能高品質PHONOイコライザーアンプ

アナログディスク再生にも、最新テクノロジーを投入し、プリアンプとしての完成度に磨きをかけました。本機は、広ダイナミッククレンジ再生に対応する最大許容入力500mV/1kHzを獲得するとともに、出力段にMOS POWER FET(Pc30W)を採用し、信号伝送のハイスピード化をはかり、低負荷ドライブ特性を向上させました。

7.PHONO入力MM/MC 2系統装備。MC入力にはLC-OFCトランス採用

MC入力は、最近の高級MCカートリッジのように非常に低い出力電圧のカートリッジに対応するため、昇圧比1:20のLC-OFC巻線のMCトランスを採用しました。

8.「EQ OFFスイッチ」装備によりイコライザーアンプ完全分離(電源OFF)設計

PHONO入力を使用しないときは、イコライザーアンプOFFスイッチにより、回路および電源が完全に遮断され、CD再生などへの影響を解消しました。

9.全段入力回路に高性能低雑音FET

10.高性能バランス入出力端子、RCAピンジャック採用

11.L、R各2連並列使用の高精度4連大型(40型)ボリウム

メインボリウムには、L、R各2連並列使用の高精度4連大型(40型)ボリウムを使用しています。抵抗体とブラシとの接触抵抗を減らし,音質劣化を極めて小さくしています。

12.ボリウム・ノブにブライヤーを使用。リアルウッド鏡面仕上げキャビネット採用による高品位なデザイン

ブライヤーはパイプに使用している木材です。パイプが長年に渡って使用するうちに手になじんでいくように、長年扱うボリウムノブにも、触った時の手ざわりの良いブライヤーを採用しました。また、キャビネットは多層コーディングによる気品あふれるリアルウッド鏡面仕上げとし、トラップドアを採用した高品位なデザインでまとめました。

13.その他特長

  • 焼結金属ベースの大型重量級フットと、厚板材使用の高剛性シャーシ、フロントシャーシには銅メッキを採用
  • 音響用高品質抵抗、電解コンデンサー、フイルムコンデンサー等の高音質部品を採用
  • プリント基板に強度、電気的性能、耐振性にすぐれたエポキシ系ガラス複合基板を採用
  • 入力切換は電子スイッチと高性能リレーによるソフトタッチオペレーション。電源ON時の入力を指定できるプリセットスイッチ付


仕様規格

■イコライザーアンプ部(PHONO IN〜REC OUT)

  •  入力感度/入力インピーダンス
    • PHONO-MC 125μV/40Ω
    • PHONO-MM 2.5mV/47kΩ
  • 最大許容入力
    • PHONO-MC 25mV/1kHz
    • PHONO-MM 500mV/1kHz
  • 最大出力/定格出力
    • 30V/150mV
  • 全高調波ひずみ率
    • PHONO-MC〜REC OUT 0.01%(10V/1kHz)
    • PHONO-MM〜REC OUT 0.005%(10V/20Hz〜20kHz)
    • CD-1〜PRE OUT-1 0.005%(10V/20Hz〜20kHz)
    • CD-2〜PRE OUT-2 0.005%(10V/1kHz)
  • RIAA偏差
    • PHONO-MC 30Hz〜20kHz ±0.3dB
    • PHONO-MM 20Hz〜20kHz ±0.2dB
  • SN比(IHF-A)
    • PHONO-MC 80dB(at 250μV Input)
    • PHONO-MM 90dB(at 5mV Input)
  • SUBSONIC FILTER
    • 16Hz 6dB/oct

■ハイレベルアンプ部

  • 入力感度/入力インピーダンス
    • CD-1、TUNER、AUX-1、AUX-2 150mV/20kΩ
    • CD-2(BALANCED) 150mV/2kΩ
  • 最大出力/定格出力
    • 10V/2V
  • 全高調波ひずみ率
    • CD-1、TUNER、AUX-1、AUX-2 0.005%/10V(20Hz〜20kHz)
    • CD-2(BALANCED) 0.005%/1V(1kHz)
  • 周波数特性
    • CD-1、TUNER、AUX-1、AUX-2 1Hz〜100kHz(+0/-3dB)
    • CD-2(BALANCED) 20Hz〜50kHz(+0/-3dB)
  • SN比
    • 105dB(I..H.F.A)
  • ミューティング
    • -∞dB(LED点滅表示)
  • TONE CONTROL
    • BASS ±10dB/100Hz
    • TREBLE ±10dB/10kHz

■ 総合

  • 電源コンセント
    • 非連動 1ヶ(700W)
  • 電源
    • AC100V 50Hz/60Hz
  • 消費電力
    • 29W(電気用品取締法による)
  • 寸法
    • (W)476(H)144(D)388mm(つまみ類、足の高さを含む)
  • 重量
    • 16.5kg

<<前のページに戻る
ページの先頭に戻る | 表紙に戻る