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 (平成5年)

「“繊細さ”と“力強さ”、その表現力の両極を統合した増幅回路。そして、防振設計の理想を徹底追求したシャーシの創出。いま、プリメインアンプの新世紀が拓かれる。真の音楽感動が響き出る。」

プリメインアンプ
PMA-S1
標準価格:400,000円(税別)

■1993年12月

■“繊細さ”と“力強さ”を表現する、UHCシングルプッシュブル回路搭載。

世界のオーディオファイルから熱い支持をいただいたDENONモノラルパワーアンプPOA-S1。
その思想を徹底して継承し、本機でも“繊細さ”と“力強さ”の高次元な両立を実現しています。

[従来の増幅素子と出力回路について]

現在、主な増幅素子としてバイポーラトランジスタとMOS-FETの2種類があります。
前者はスピーカードライブ能力に優れたフォーカスのとれた響きを、後者は奇数次歪みの少ない滑らかな音質を得意としますが、いずれも“繊細さ”と“力強さ”を両立するには至りません。
また、現在の電力増幅段の多くは、電流供給力を向上させるため増幅素子を多数並列接続するマルチパラレルプッシュプル回路となっていますが、素子動作のバラツキ、信号経路の複雑化などで精妙なニュアンスを描き切ることができません。

[大電流型増幅素子UHC-MOSの採用]

従来のアンプにおける課題を一掃し、最小単位の増幅素子で高音質化と高度なスピーカードライブ能力の両立を図るため、本機では大電流型増幅素子UHC-MOSを採用しました。
UHC-MOSは、電流供給力がパイポーラトランジスタと同等以上に改善され、MOS-FETの音質的なメリットも合わせ持つ理想の素子です。
さらに、この素子の能力を最大限に引き出す“カスコードブートストラップ方式”により、“繊細さ”と“力強さ”の両極を統合する高品位な響きを獲得。
演奏者の体温までを感じさせる音像の実体感をリアルに描き出します。

 UHC-MOS

■シンプルな増幅段構成とソース抵抗の画期的追放。

より簡潔な増幅段構成からは、より優れた高音質が得られます。
本機では、カスコードブートストラップ方式によって、電力増幅投への理想的な負荷を実現し、シンプル&ストレートな構成を達成しました。
同時に音質を汚す原因であったソース抵抗もUHC-MOSの安定性を生かして排除が可能となり、リアルな輝きに溢れた瑞々しい響きを再現します。

 UHCシングルプッシュプル回路を採用した増幅段

■音楽信号の鮮度を守り切るBTL回路を採用。

本機では、BTL回路の採用によって、低い電源電圧で安定した出力が得られるため、音響用の優れたデバイスの搭載が可能となりました。
また、動作基準となるアース回路とスピーカー出力電流を完全分離。
一点の隙もない、優れた音像の定位を実現し、一音一音に込められた微細なニュアンスを克明に描き出します。

■振動抑止を究めた砂型鋳物ラジエーターー体型シャーシ。

ラジエーター、トランスなどによる内部振動、また外部からの振動は、音質を著しく汚す要因となります。
本機のシャーシには、振動減衰特性に優れ、電磁ひずみが発生しにくく、しかも高精康な加工が可能な非磁性体の砂型鋳物を採用しました。
そのうえ、シャーシとラジエーターを一体化する構造設計によって、徹底した高剛性、無共振化を実現。
電流供給能力に優れ、余裕あるスピーカー駆動能力を実現するトランスの大型コアはシャーシに直接固定し、シャーシレイアウトと相まって周囲への影響を防いでいます。
また、トランスに厳重な磁気シールドを行うことにより、音質に悪影響を与えるリーケージ・フラックスを追放しています。
さらに焼結合金インシュレーターもシャーシに直接固定。
プリメインアンプに理想的な防振構造体を極限まで追究し、音像の実体感を浮き彫りにします。

 砂型鋳物によるラジエーター一体型シャーシ

■高音質バランスパワーアンプを構成するNEW INVERTED SIGMA BALANCE回路。

ハイエンドオーディオで、いまやメインストリームとなっているバランス伝送。ケーブルに誘導されるノイズを排除し、ピュアな信号のみを伝送する理想的なシステムです。
本機では、バランス入力とノーマル入力の両入力に対応する、新開発NEW INVERTED SIGMA BALANCE回路を搭載。 入力段、電圧増幅段での個別の変換回路を不要とし、ダイレクトにBTL構成のバランスパワーアンプに入力できるバランスダイレクト設計となっています。
これによりプリアンプ、パワーアンプが一体となったプリメインアンプならではのシンプル&ストレート増幅を実現。どこまでも澄み切った緻密さで楽器ひとつひとつが織り成す響きのリアリティを描きます。

■アナログの愉しみに心から浸るためにイコライザーアンプ完全分離設計。

イコライザーアンプは2段構成の専用定電圧電源を採用しました。
PHONO入力を使用しない場合はEQ POWERスイッチをOFFにすることで回路および電源を完全に遮断するため、CDなどライン入力の音質への影響を解消します。
アナログディスク派の方には、EQ POWERスイッチがONの状態でイコライザーアンプが最適な動作をする温度にウォームアップするまでの時間を使って、CDをお愉しみいただくこともできます。

■PHONOからBALANCEDまで8系統の入力端子。

入力端子は、PHONO(MM)、TUNER、CD、AUX-1、AUX-2、TAPE-1、TAPE-2、BALANCEDの8系統を装備。
また、REC OUT端子はTAPE-1、TAPE-2の2系統をそれぞれ装備しています。

■シンプル&ストレートの思想でピュアネスを高精度に磨き上げる。

どこまでも無垢な音楽再現のために、信号経路のシンプル&ストレート化を徹底。
プリアウト、メインイン端子、トーンコントロール、フィルター、ラウドネス、ミューティングヘッドホン端子は装備しておりません。


■PMA-S1の主な仕様

パワーアンプ部

  • 定格出力
    • 50W+50W(20Hz〜20kHz:8Ω)
    • 100W+100W(1kHz:4Ω)
  • 全高調波歪率
    • 0.007%(1kHz、25W、8Ω)
  • 出力帯域幅
    • 5Hz〜50kHz(出力25W、8Ω T.H.D./0.1%)
  • 出力インピーダンス
    • 0.1Ω以下
  • スピーカー出力端子
    • 4〜16Ω

プリアンプ部

  • 入力感度・インピーダンス
    • PHONO MM:2.5mV、47kΩ
    • LINE:150mV、47kΩ
    • BALANCED:150mV、100kΩ
  • 最大許容入力電圧
    • PHONO MM:150mV(0.1%)
  • 定格出力(REC OUT)
    • 150mV(1kHz)
  • イコライザー(RIAA)偏差
    • 20Hz〜20kHz ±3dB
  • 全高調波歪率
    • 0.002%(1kHz、5V)

総合

  • SN比
    • PHONO MM:91dB(入力5mV時)
    • LINE:108dB

その他

  • 電源
    • AC100V50/60Hz
  • 消費電力
    • 230W
  • 外形寸法
    • W434×H155×D493mm
  • 重量
    • 25.5kg

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