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 (昭和50年)

ダイレクトドライブレコードプレーヤーシステム
DP-1700
\58,000
■1975年5月


新製品DP-1700は、DP-5000F、DP-3000のディザインと基本性能を受け継ぎ、よりコンパクト化したダイレクトドライブ・ターンテーブルDP-1000を組込んだプレーヤーシステムで、新開発のシンプルで使いやすいS字形トーンアームを採用しております。
プレーヤーキャビネットも十分な補強と効果的に使用されている粘弾性体、インシュレーター等によりハウリング防止にも十分配慮して、レコードプレーヤーシステムとしての完成度を高めました。
ダイレクトドライブレコードプレーヤーDP-3700F、DP-2700の姉妹機として性能、価格両面でオーディオマニア、音楽ファンの方々に巾広くご愛用いただけるものと確信いたしております。


DP-1700の主な特長

1)ダイレクトドライブ・サーボターンテーブル

DP-3000と同様、モーターのシャフトでターンテーブルを廻しています。ベルトやアイドラなどの回転伝達機構がありませんので、それらに起因するワウ・フラッタやランブルがなくまた摩耗や変形を生じる部分が少ないため初期性能が長期間にわたり維持されます。

2)DENON独自の高精度磁気記録再生方式によるスピード検出機構

ダイレクトドライブ方式の性能を左右する回転スピードの検出にはDENON独自の極めて精度の高い磁気記録再生方式を応用しています。
ターンテーブルのリム内周にパルス信号(1000個)を記録し、それに近接した磁気ヘッドで検出することにより回転スピードを制御しています。この記録波長誤差は1/10000以下という高精度、しかも検出周波数が高いので制御回路の利得と安定度が大きくとれ特にターンテーブルの応答性、安定性が良く、ワウ・フラッタは0.03%w.r.m.s以下という高性能です。

3)交流ソリッドロータ形トルクモータで滑らかな回転

交流モータは直流モータの宿命であるコッキング現象のない原理的に振動の少ない滑らかな回転であり、しかもモーターの駆動波形にも考慮をはらっていますので非常に滑らかな回転が得られ、ワウ・フラッタやランブルの点で優れS/Nは60dB以上得られます。
これはDP-3000と同じモータを使用しています。

4)安定した回転スピード

回転スピードの検出にDENON独自の方式を採用しているため、サーボ回路の利得と安定度が大きくなり針圧やアームの位置などの負荷条件の変化に対しても、また電源の周波数や電圧の変動、温度変化などの外部条件の変化に対しても常に安定した回転をいたします。

5)軽いターンテーブルと早く素直な立上り特性

応答性の速いスピード検出系と安定したサーボ系の実現により、従来の方式では採用困難なターンテーブルの軽量化に成功いたしました。このため起動特性は1/2回転(33・1/3rpm時)以下、しかも素直な立上り特性を得ています。
ターンテーブルの軽量化により軸受けの負担も軽くなり、モーターの耐久性をより高め、長期間安定した性能を保つことができます。

6)電源スイッチと連動のスピード選択ノブ

回転スピードの切替は回路の基準電圧を変えて行い電源スイッチと連動しています。フィーリングの良いワンタッチの操作でスタート・ストップができます。(カメラやDENONトーンアームに使われている特殊高級グリスを使用しています)

7)わかりやすい内蔵ストロボ

DP-3000と同じくストロボ窓から33・1/3、45回転の2本のストロボだけが見えるようになっています。(使用電源周波数の変更時にはストロボシャッターを切替えて下さい。使用電源周波数の切替はこの部分のみです。)

8)シンプルで使いやすいS字形トーンアーム

S字形パイプアームの採用でラテラルバランスをとり、軽量でしかも十分な強度をもった針圧直読式のユニバーサルトーンアームです。軸受部には高級ベアリングや焼入研摩したピボット等特に精度の高い部品を使用していますので、高感度、高追従性を実現しています。また、アンチスケーティング機構の採用で針先をレコード面におろした時、アームの流れを防ぐなどより安定したトレースをいたします。外観は優美なディザィンと品格を備えた特殊パールトーンと梨地仕上げを採用しました。

9)ハウリング防止に数々の考慮をはらっています

トーンアームとキャビネットの間にはDENONのアイディアにより粘弾性体を上下にはさんで取付けていますので、キャビネットからの振動を遮断しています。またキャビネット両端(ダストカバー受)にも粘弾性体を取付けて、ダストカバーを閉じた時(使用状態)の音圧によるダストカバーの振動を防いでいます。
この他高級インシュレーターの使用やキャビネットの要所々々の補強材を入れるなど、ハウリング防止に数々の考慮をはらっていますので積層キャビネット並みのハウリングマージンを得ています。


針圧調整方法

  • カートリッジを取付けアームリフターをさげて0バランスをとります。
  • カウンターウエイトを回らないようにおさえて針圧目盛の「0」をアームの基準線に合わせます
  • カウンターウエイトを回してアームの基準線にご希望の針圧目盛に合わせます。(カウンターウエイトと目盛リングはフリクションタイプとなっていますのでカウンターウエイトを回すと目盛リングも一緒に回ります。
  • カウンターウエイトは1回転2.5gです。

アンチスケーティング・ツマミの調整

  • アンチスケーティング・ツマミの目盛をお使いになる針圧に合わせます。右図は針圧2gでご使用になるときのアンチスケーティングツマミの位置です。


主要規格 DP-1700

ターンテーブル部

  1. 駆動方式:サーボ式ダイレクトドライブ
  2. モーター:交流ソリッドロータ形トルクモーター
  3. スピード制御:周波数検出による電圧サーボ方式
  4. 回転数:33・1/3、45rpm
  5. スピード切替機構:マイクロスイッチとカムレバーとの組合せによるスライド方式
  6. 起動時間:1.8秒(1/2回転、33・1/3rpm時)
  7. ワウ・フラッタ:0.03% w.r.m.s以下(テストレコードによる)
  8. モーターボード:アルミダイカスト
  9. SN比:60dB以上
  10. 電源:AC100V 50/60Hz
  11. ターンテーブル:30cmアルミダイカスト
  12. ターンテーブル重量:1.1kg(慣性モーメント160kg・cm2)
  13. 回転数調整範囲:規定スピードに対して±3%

トーンアーム部

  1. 形式:スタチックバランス形
  2. 有効長:244mm
  3. オーバーハング:14mm
  4. オフセット角:20.5°
  5. トラッキングエラー:2.5°(30cmレコード最外周)
  6. 針圧調整範囲:0〜2.5(1回転2.5g 1目盛0.1gr)
  7. 適合カートリッジ自重範囲:5〜11g
  8. ヘッドシエル自重:9g(取付ネジ.ナット含まず)
  9. アーム高さ調整範囲:42〜47mm(キャビネット面からアームパイプ中心まで)
  10. ヘッドコネクター:EIA規格4Pコネクター
  11. アームリフター:オイルダンプ式
  12. アンチスケーテイング機構:スプリング方式

総合

  1. キャビネット:塩ビシート張り、合板
  2. ダストカバー:AS樹脂成形品
  3. ダストカバー受ブッシング:粘弾性体使用
  4. インシュレーター:高さ調整可能インシュレーター
  5. 電源:AC100V 50Hz/60Hz
  6. 消費電力:11W
  7. 寸法:485W×170H×405Dmm(ダストカバーを閉めた時)
  8. 重量:11kg

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