DL-103Sは、発売以来音質・性能で高い評価をいただいております。
DL-103の振動系をより軽量化するとともに、:コンプライアンスを大くし、軽針圧化と高いトレース性能を実現し、60KHz以上におよぶ超可聴周波数帯域まで、周波数特性・クロストーク・歪等の諸特性を向上させた高性能カートリッジです。
DL-103Sの特長
1)合理的な振動系
振動系は、極細のピアノ線で支えているワンポイントサスぺンション方式ですので、再生周波数帯域全域にわたって振動の中心を明確にできます。また針先とレコード音溝との摩擦により生じる有害な振動系の前後の動きがなく、安定した動作をしますので、歪の少ない優れた再生音質を得ております。
2)二重構造のカンチレバー 実用新案申請中
カンチレバーは二重構造にすることによって分割振動がなく、軽量かつ堅牢になっています。そのため、振動系の機械インピーダンスを全帯域にわたって小さくでき、適度のコンプライアンスとあいまって優れた音溝追従性を得ています。
3)十字形アマチュアとコイル 実用新案（登録番号852547）
アマチュアを十字形にすることによって、等価質量を減らすとともに、左右チャンネル信号用可動コイルを独立して対称に巻くことができるので、振動時における動的バランスがよく左右チャンネルの感度差が少ないバランスのとれた特性が得られます。
4)長寿命・軽質のソリッドダイヤ針
DL-103の針先は0.2mm角のソリッドダイヤを使用し、その結晶方向に合わせて最も硬い部分がレコードの音溝に接触するように1本1本正確に取りつけていますので摩耗が少なく、長期間にわたり安定した特性が得られます。
DL-103Sでは針先の形状をダ円状にして、高い周波数すなわち短かい波長の再生をも良好にし、しかもレコードの音溝との接触面積が大きくなるように先端を特殊形状に研磨した0.15mm角という微小なソリッドダイヤを使用していますので、軽質量・軽針圧とあいまって60KHz以上の超オーディオ帯域までフラットに再生します。
5)優れたセパレーション
ワンポイントサスペンション機構、二重構造のカンチレバー、微小なソリッドダイヤモンド針、それにカンチレバー軸から最短距離に位置づけした針先と幾何学的・動的にバランスのとれた合理的な振動系ですので、再生周波数帯域全域にわたって優れたセパレーションを得ています。
PUF-1はDL-103S用フィルターとして、ディスクリート4チャンネル再生時における不要な45KHz以上のトレーシング歪やスクラッチノイズの高調波を効果的に取除き、すぐれた再生をお楽しみいただくためのPUフィルターです。
DL-103S 主要規格
- 発電方式：ムービング・コイル形
- 出力電圧：0.3mV（1KHz-50mm/sec水平方向）
- 周波数特性：20〜60,000Hz
- セパレーション：25dB以上（1KHz）、15dB以上(30KHz)
- 電気インピーダンス：40Ω±20%
- コンプライアンス：8×10-6cm/dyne（100Hz）、25×10-6cm/dyne（Static）
- 針先：特殊楕円形ソリッドダイヤモンド
- 針圧：1.8gr±0.3gr
- 自重：7.8gr
（昭和49年）
