Bluetooth、その音質と遅延について
最近Bluetooth®対応機器が増えてきましたが、Bluetoothは「音が悪い」「遅延がある」という声をよく耳にします。そこでデノン公式ブログではBluetoothの音質と遅延について、ずばりお答えしました。
デノンからBluetooth®接続の高音質ワイヤレススピーカーDSB250BT、DSB150BT、DSB50BTが発表となりました。
ワイヤレスは一度使ってしまうと、もう後戻りできないくらい快適なもので、街角や電車などでワイヤレスのヘッドホンをしている方もよく見かけます。
一方でBluetooth接続の機器に対しては「音質が悪い」「遅延がある」という声も耳にします。
そこで今回、そうしたBluetooth接続についての疑問を読者のみなさんに変わって、編集部Iが単刀直入に質問してみました。
今回のナビゲーター 国内営業本部 営業企画室志田鷹平
●志田さん、今日はBluetooth接続の音質と遅延についてお尋ねしますので、ズバリお答えください。
志田:お任せください。
●Bluetoothは音質が悪いのではないか、遅延があるのではないかという声をよく聞きます。これって、実際のところ、どうなのでしょうか。
志田:まずそもそも「Bluetoothとは?」についてですが、これは先日のデノンブログのエントリー超初心者のための「BluetoothとWi-Fi、どこがちがうの?」でもご説明したように、パソコン用のマウスやキーボードなど、近距離で低速のデジタルデータを無線接続する規格です。
ですから伝送できるデータ量がWi-Fiと比べると比較的少ないんです。そのためオーディオ機器のBluetooth接続では音声を載せるため音声データの圧縮を行っています。
この方式をコーデックと言います。Bluetoothではいくつかのコーデックが使われていますが、コーデックによって音質や遅延の状況が異なるのです。
ですからBluetooth機器だから一概に「音が悪い」「遅延が大きい」とは言えません。
●コーデックの種類によって音質や遅延が違うということですね。
志田:ただ音質に関してはスピーカーやヘッドホンの基本的な設計によるところも大きいので、コーデックだけが要因ではありませんが、遅延に関してはコーデックによるところが大きいです。
●具体的にコーデックごとの特徴を教えてください。
志田: Bluetoothでは主にSBC、AAC、aptXの3種類のコーデックが使われています。
たとえばSBCはオーディオ機能を持つBluetooth機器には必ず搭載されているコーデックですが、SBCは信号の圧縮率が高いため、音質が劣化したり遅延が起きたりする場合があります。
「Bluetoothは遅延が大きい」という話は、主にSBCでの場合のことではないでしょうか。
音楽再生だけであれば遅延はほとんど気になりませんが、YouTubeなどで動画を再生してその音をSBCで聞くと、遅延は気になるかもしれません。
●他の2つのコーデックは、遅延が少ないのでしょうか。
志田:iPhoneなどApple製品で使われているAACやAndroid™機器で数多く対応しているaptXは、音質劣化が少なく遅延も少ないです。
それぞれの特徴は以下の表のようになっています。
志田:コーデックは音源を再生するデバイスで決まります。iPhoneなどはAAC、AndroidではaptXというコーデックで接続できます。
新しいコーデックであるaptX LL(Low Latency)では特に遅延が少なく、動画再生でも遅延はほとんど気にならないレベルで視聴できます。
●デノンの製品はこれらのコーデックに対応しているのでしょうか。
志田:発表されたばかりのBluetooth接続の高音質ワイヤレススピーカーDSB250BT、DSB150BT、DSB50BTの3モデルはいずれも、ACC、aptX、aptX LLに対応しています。
またコンパクトサイズのHi-FiプリメインアンプPMA-60、PMA-30、ノイズキャンセリング機能を備えたBluetoothワイヤレスヘッドホンAH-GC20もACC、aptX、aptX LLに対応しています。
ぜひその実力を店頭などでお試しいただきたいと思います。
(左後方からDSB250BT、DSB50BT、手前はDSB150BT)
DSB250BT、DSB150BT、DSB50BTの各製品ページをご覧ください。
「DSB250BT / 150BT / 50BT」NEW ENVAYA SERIESプレスリリース
(編集部I)