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Denon Official Blog > Posts > AH-D7200開発者インタビューVol.2
Category Name: 製品の魅力 Posted Date: 2016-12-11

デノンのヘッドホンの新しいフラッグシップモデル、AH-D7200。その設計思想やサウンドの核心に迫るべくインタビューを行いました。
Part2はヘッドホンの「装着性」の大切さについて開発者が熱く語ります。


 


AH-D7200の記者発表の様子はこちらのエントリーをご覧ください。

 

オーバーイヤーヘッドホン
AH-D7200
オープン価格
2017年1月中旬発売


 

GPDエンジニアリング
成沢真弥


Part.1から続いています。
AH-D7200開発者インタビューPart. 1


●前回、成沢さんは、ヘッドホンにおいて、音質と装着性の重要度は50対50ぐらいだとおっしゃいましたが、これにはとても驚きました。
Part2では、そのあたりからお話を聞かせてください。


成沢:通常のオーディオ機器、たとえばプリメインアンプやCDプレーヤーなどは、とにかく中身が勝負ですよね。
外側のデザインはどうあれ、とにかく音が重要じゃないですか。
でもヘッドホンは直接身に着ける音響機器ですから、音と装着性は同じぐらい重要なのです


●装着性の重要性とは、具体的にどんなことを差すのでしょうか。


成沢:ヘッドホンにおいて音質が重要なのは当然ですが、装着感が悪いと感覚的に「このヘッドホンは嫌い」と感じたりしますし、人によっては装着感が悪いと「音が悪い」と感じることもあります。
ですからドライバーからでている「音の良さ」をそのまま感じていただくためには、装着感も良好でなくてはならないんです。

まず、装着性とは、軽さ、ヘッドバンドの側圧、触り心地の3つのポイントで説明ができます。
音質は最高品質に保ちつつ、無駄を削ることで軽量化に努めます。
それが自動的に側圧の軽さにつながります。側圧とはヘッドホンを装着したときの左右からの圧力を言います。

ヘッドホンの重量が重いと、それを頭に保持するためにどうしても側圧もきつくなり、それが原因で頭が痛くなってしまうことがあります。
それは避けなくてはいけません。
最後に肌に触れる部分の素材は、柔らかく肌触りが良くなくてはいけません。


●ヘッドホンの外装がこれほど重要だということを初めて知りました。
AH-D7200では装着性について、どんな工夫が成されているのでしょうか。


 

↑AH-D7200の構造図


成沢:新しいフラッグシップモデルですから、音質だけでなく装着性においても今までよりも良いもの、最上のものを妥協することなく追求しました。
たとえばイヤーパッド内部(上図イヤーパッド内の青い部分)で使っているスポンジですが、ここには日本メーカーの高品位な低反発ウレタン素材を採用しています。
この素材によって優しく耳を包み込むような装着感を実現しています。



 



成沢:またイヤーパッド表面の合成皮革の素材についても、直接肌に触れる部分ですから、触感にこだわりました。
これは国内の合成皮革の専業メーカーとの共同開発を行いました。
この素材は柔らかく肌触りがいいことに加えて、従来よりも耐久性が高いことも特徴です。

合成皮革は「加水分解」といって、長い時間が経つと経年変化でどうしてもボロボロになってきてしまうんです。
これは素材の特性上不可避なのですが、この素材は今までのものより2倍の耐久性を実現しています。
AH-D7200は高価なヘッドホンですから長く使っていただきたいと思い、耐久性も重視しました。



 



●AH-D7200では側圧に関してどんな工夫があるのでしょうか。


成沢:人の頭って複雑な形状をしていて、たとえば耳の後ろって少し落ち込んでいるんですね。
そこにヘッドホンのイヤーパッドが当たるわけですから、イヤーパッドが平らだと、耳の前側により強く圧力がかかります。
これがヘッドホンをかけると「ちょっと痛い」とか「何か気になる」、といった不快感の原因となります。

でも側圧を緩くすると耳の後ろ側が空いてしまってズレやすくなりますし、そこから音が抜けてしまうので正常な低音再生ができません。
そこで私たちはイヤーパッドに均一に圧がかかるように、ダミーヘッド上のイヤーパッドが当たる部分全周に圧力センサーを挟んで側圧を定量的に評価し、側圧が均一になるようなイヤーパッドの形状を工夫しました。




↑耳の周りの凹凸に合わせた形状のイヤーパッド。耳の後ろ側が厚くなっている。


成沢:上の写真のような角度から見てもらうとわかりやすいのですが、AH-D7200のイヤーパッドは、耳の形状に合わせて後ろ側にボリュームがくるようなカーブを持たせています。
この形状は複雑で微妙なカーブを持つ3D的な造形になっているので、実は職人の手作業でしか作れないんです。
このあたりは工数やコストに跳ね返ってくる部分ですが、妥協せずに、今までで一番装着性がいいヘッドホンを目指しました。




↑耳の後ろ側が厚くてクッションがタップリとしている。


●かけ心地、という感性的な部分はカタログなどでは表現しにくい要素ですが、実際のところ音質と同じぐらい設計に時間や手間がかかるのではないでしょうか。


成沢:そうなんですよ。ユニットなど直接音に関わる部分は時間もコストもかかりますが、わかりやすい点ですよね。
でも手をかける時間だけでいえば、装着性も同じぐらい、ひょっとしたらそれ以上に時間がかかっているかもしれません。


●こだわりと言えば、今回AH-D7200はリケーブル(ケーブル交換)ができるようになりましたね。


成沢:はい。AH-D7000はリケーブルができませんでしたが、AH-D7200はお客様がご自分でグレードアップを楽しめるようリケーブルに対応しました。
リケーブルは不意のケーブル引っ張り時の断線対策にもなりますし、最悪ケーブルが壊れても容易に交換できますから、末長く使ってもらうことができます。






●リケーブルってヘッドホンでは話題ですが、やっぱり音が変わるのでしょうか。


成沢:一般のスピーカーと比べて微小で繊細な信号を取り扱うわけですし、AH-D7200のように自宅で使うようなタイプのヘッドホンはある程度ケーブルの長さが必要になりますから、ケーブルのクオリティの要素は大きいです。


●AH-D7200に付属しているケーブルはどんなものですか。


成沢:先代にあたるAH-D7100というモデルでもリケーブルができて、その時はApple用のコントローラーがついたミニプラグのケーブルと標準フォーンの2本のケーブルが付属していました。
でも今回はこのヘッドホンでのユースケースを考え、高品位な「本気」のケーブルを1本だけにしようということで、7N銅線やアルミ素材のプラグキャップを採用した6.3mm標準プラグのケーブルを付属させました。


●7Nというと、銅の純度が高いということですか。


成沢:小数点以下の9が7つあるので、セブン・ナインといます。99.99999%以上の高純度の銅ということを示しています。
7Nのケーブルはリケーブル用ケーブルとしては一般的ですが、このグレードのケーブルを製品に付属させるとなると結構コスト的に大変でした。






●ということは、リケーブル用として万単位のお金を出して買うような高級ケーブルが最初から付属していると思っていいのですか。


成沢:そう思っていただいていいと思います。


●いままで2回にわたりお話しをうかがいましたが、ヘッドホンの開発で面白い点はどんなところでしょうか。






成沢:先ほども言いましたが、ヘッドホンは形状やデザインもすべて性能につながるところですね。
最近のトレンドではヘッドホンのデザインが外装・コスメティック優先で作られているものを見ますが、実はそれではダメなんですよね。
音とデザイン、そのすべてがお客さまの満足度に直結しています。

たとえば普通のオーディオ機器であればまず外側のデザインをプロダクトデザイナーが描き、その後で中身の仕様を決めるのですが、ヘッドホンは最初の絵が、それがそのまま性能に直結してしまいますから、最初の絵の段階からエンジニアが入らなくてはいけないんです。
そこがヘッドホン設計の醍醐味だと思います。


●ちなみにこのダミーヘッドは何に使うものなのでしょうか。



 



成沢:たまたま装着性の話で使いましたが、実はHead and Torso Simulatorという専用の測定器で、頭文字をとってHATSと呼ばれているものです。
この頭の中、鼓膜のあたりにマイクが入っていて、ヘッドホンから耳の穴を通って鼓膜に到達した時点での音響測定が行えます。


●面白いですね。こちらの黄色い方のダミーヘッドは何ですか。



 



成沢:こちらは今回のヘッドホンの開発には関係ありませんが、Bluetoothヘッドホンなどを開発する際の無線の特性を測定するためのものです。
この頭の中に人間と同じ誘電率の素材が入っていて、実際に人体に装着したときのBluetoothの感度などがシミュレートできるようなっています。


●最後に開発者としてAH-D7200を、お客さまにどのように楽しんでいただきたいか、メッセージをお願いします。


成沢:使い方のイメージで言うと、仕事から帰って来て、夕食を食べて、お風呂も入って、ああ、後はゆっくりしたいなぁ、という時に、ぜひいいイスに座って、AH-D7200でゆっくりと音楽を聴いてもらいたいと思います。
このヘッドホンはそういう用途で開発しましたし、装着性も、そして「本気のケーブル」も、そういう状況で使っていただくために最適なものにしています。
デノンがヘッドホンにかけた本気の音とかけ心地を、ぜひ味わってほしいと思います。


●とはいえヘッドホンの装着性や音質は、実際に試してみないとわかりませんよね。


成沢:そうなんですよ。ですからぜひ店頭で、ぜひAH-D7200を試していただきたいと思います。



 



(Denon Official Blog 編集部 I)


Picture Placeholder: Junko Arak
Junko Arak posted to AH-D7200開発者インタビューVol.2 2016/12/11 23:08
 

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