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Denon Official Blog > Posts > DP-400、DP-450USB開発者インタビュー
Category Name: 製品の魅力 Posted Date: 2018-08-20

 




デノンからデザインシリーズとして発表されたレコードプレーヤーDP-400、DP-450USB。

デザインシリーズならではのスタイリッシュなデザインが注目を集めていますが、その設計思想や音質はどうなのか、気になっている方も多いと思います。

そこで今回はDP-400、DP-450USBの開発を担当した岡芹 亮と、サウンドマネージャー山内慎一にインタビューしました。

 


レコードプレーヤー
DP-400
58,000円(税抜価格)
2018年8月中旬発売予定
製品の詳細はこちら


レコードプレーヤー
DP-450USB
70,000円(税抜価格)
2018年8月中旬発売予定
製品の詳細はこちら

 


デザインシリーズのレコードプレーヤー スペシャルコンテンツはこちら



https://www.denon.jp/jp/museum/images/dp5000/dp5000.jpg

DP-400、DP-450USB開発担当 GPD エンジニアリング ・スペシャルプロジェクト・ゼネラルマネージャー 岡芹 亮(写真向かって左)
GPD エンジニアリング デノンサウンドマネージャー 山内慎一(写真向かって右)

 


●DP-400、DP-450USBの設計担当の岡芹さん、そしてサウンドマネージャーの山内さん、本日はよろしくお願いします。まずデノンのレコードプレーヤーについて教えてください。


岡芹:デノンのレコードプレーヤーのヒストリーは非常に古くて、蓄音機や、円盤録音機にまで遡ります。

レコードプレーヤーも当初は放送局用の業務用機器を作っていました。

民生用のアナログレコードプレーヤーについては、1971年にDP-5000を初めて発売して以来、DPという品番でレコードプレーヤーを作り続けてきました。




1971年に民生用として初めて発売したDP-5000 (Denonミュージアムウェブサイトより)



●デノンの中でも歴史がある製品カテゴリなんですね。


岡芹:はい。ただCDが登場して以来レコードプレーヤーの立ち位置が年々難しくなっていました。

日本市場では、デノンのレコードプレーヤーのラインナップは継続していましたが、ここ10年以上は新製品が出せていない状況でした。

オバマ大統領時代のホワイトハウスにデノンのレコードプレーヤー(DP-300F)が置いてある写真が公開されたりして、デノンのレコードプレーヤーが話題になったりはしたんですが。



●今回レコードプレーヤーの新製品としてDP-400、DP-450USBが企画されたのはどうしてですか。


岡芹:昨今のアナログレコードの復権があり、デノンとしてもそろそろ新しいレコードプレーヤーがほしいという話が社内でも上がるようになりました。

その際に、「デザインシリーズ」の一環として、今までにないモダンなデザインのレコードプレーヤーとして作ろうということになったのです。

デザインシリーズは「コンパクト」とか「現代のインテリアにフィットする」というシリーズコンセプトを持っています。




↑DP-450USB



●設計面ではDP-400、DP-450USBのどんなコンセプトがあるのでしょうか。


岡芹:デザインシリーズということで当初は外観のデザインが先行しましたが、音質面に関しても、発売する意義のある、いい音質のものにしたいという思いがあり、レコードプレーヤーとしての基本性能を磨き上げる方向で開発を行いました。

その結果、当初はDP-300Fの外観デザイン変更程度の企画だったものが、まったく別のモデルとして仕上がることとなりました(笑)。



●基本性能を磨き上げる、とは具体的にはどういうことでしょうか。


岡芹:端的に言えば、レコードプレーヤーの役割とは、レコード盤に入っている音楽の情報を、いかに正確に再生するかということです。

ですから、そこに直結する部分であるトーンアームとターンテーブルの回転部分などを徹底的に見直しました。





■フルオート機構を取り払った本格派マニュアルレコードプレーヤー



●開発としてはまずどんな点から着手したのでしょうか。



 



岡芹:まずはどんな機能を持たせるか、です。DP-400、DP-450USBは価格帯としてはいわゆるエントリークラスの製品です。

このクラスのレコードプレーヤーは手軽さを重視しているので、ボタンひとつでレコードが再生できるフルオート機構のものが多いんです。


デノンの現行製品であるDP-300FDP-200USBDP-29Fもフルオートレコードプレーヤーです。

しかしDP-400、DP-450USBはあえてフルオートの機構を取り外し、マニュアルとしました。



●それはどうしてでしょうか。


岡芹:フルオート機構は便利ではありますが音質に貢献する機能ではありません。

ちょっとした便利さより、基本性能を高めたかったので、余計なものは取り外すことにしました。


それによってアームを上げたりするためのメカニカルなパーツが不要になります。

アームの上げ下げなどを行うメカロジックを全部取っ払うと、裏面は1枚の堅牢な板になりますから、そこを補強すれば剛性の高い構造にできます。


またスピンドル(ターンテーブルセンター軸)もちゃんと軸方向にマージンを取った設計ができます。

またフルオートの機構を削除することによって機構的な制限が減少するので回転部分のベアリングなどでより精度の高いものが使用できるメリットもあります。




■DENONの設計思想をレビューしたスタティックバランスS字型トーンアーム



●DP-400、DP-450USBのために開発されたトーンアームについて教えてください。


岡芹:ブレーヤーでとても大事なのはアームです。アームに関してはトラッキングエラーを減らし、感度を向上させることを設計コンセプトとして新たに設計を行いました。



●トラッキングエラーとはなんでしょうか。


岡芹:レコードって本当は溝に対して針を垂直に入れて音を拾う(トラッキングする)のがいちばん良いんです。

なぜかというと、レコードの原盤を削るカッティングマシーンは、回っている盤に対して横方向に真っ直ぐカットしていくからです。


しかしレコードプレーヤーのトーンアームは必ず円弧を描きながら移動するので、レコードの外側から内側にかけて音溝と針先の角度のズレが生まれます。

これは水平トラッキングエラーといいます。



 



●トラッキングエラーを減らすためにはどんなことをしているのですか。


岡芹:トーンアームには有効長、オフセット角、オーバーハングという3つの要素がありますが、デノンのレコードプレーヤーで民生機器として初めて市場導入されたDP-5000(1971年発売)の開発当時にリファレンスとされていたトーンアームの仕様を元にしながら、トーンアームには有効長、オフセット角、オーバーハングの値を全て見直しまして新たに設計しました。




※画像をクリックすると拡大できます。



●もうひとつのアームのコンセプトである「アームの感度の向上」とはどういうことですか。


岡芹:アームの感度とは、動きやすさです。例えばレコードには反りなどがあるので、それに対していかに速く、軽く追従できるかが重要となります。

フルオートをやめたことで、アームの感度を向上させることができました。


具体的には、レコードをトレースするアーム自体が独立しているために機構的にはレコードの反りと偏芯に追従することのみに配慮すればよいことになります。

トーンアームには水平方向と垂直方向のベアリングが使用されていますが、そこに精度の高いものを選ぶことが可能になりました。


今までの具体的な数値でいうと、従来のフルオートプレーヤーだと感度は200mgぐらいでした。

それがDP-400、DP-450USBでは100mg以下ぐらいまでに抑えこんでおり、従来よりかなり追従性が上がっていると言えるでしょう。




↑DP-400、DP-450USBの記者発表にてアームの説明をする岡芹氏



●DP-400、DP-450USBではストレートではなくS字のトーンアームとしたのはなぜですか。


岡芹:アームは先ほど申し上げたとおり、基本的に有効長とオフセット角、オーバーハングという3つの要素で考えればいいと思っているので、私としてはストレートでも、S字でも形状にこだわりはありません。

ただストレートアームですとヘッドシェルがそのモデル専用のものになるため、カートリッジの交換が大変なんです。


S字のトーンアームであればヘッドシェルはユニバーサルタイプが使えるので、気軽にカートリッジを交換して音の違いを楽しむことができます。

それが最大のメリットです。昇圧トランス、ヘッドアンプを使用いただければ簡単にMC型カートリッジも付け替えることができます。


デノンのロングセラーモデルのMC型カートリッジ DL-103はもちろん、重量モデルのDL-102へも対応します。



 

 



■ターンテーブルは回転制御機能を搭載したベルトドライブ方式



●ターンテーブルはどんな設計になっているのでしょうか。


岡芹:ベルトドライブ方式を採用しています。

いままでのデノンのベルトドライブは同じ電圧でモーターを回し続ける方式でしたが、DP-400、DP-450USBでは回転制御機能を搭載しています。


プラッターという回転部分に速度センサーを搭載し、常に回転スピードを検出することで、正確な回転を保てるように回転制御をかけています。

ですから回転精度やワウフラッターは、ベルトドライブの以前のモデルよりも格段に向上しています。



●DP-400、DP-450USBは33回転、45回転に加えて78回転でも再生が可能なんですね。


岡芹:技術的に可能なことが設計中にわかったので78回転まで入れました。

SPを聴きたいという人がいるかもしれないし、このクラスとしては間口が広い方がいいので。




↑78回転にまで対応しSPも再生可能



また、これは、DP-450USBだけの特長になりますが、USB端子を装備しており、USBメモリーを挿入して録音ボタンを押すだけでアナログレコードの音楽をMP3(44.1kHz/ 192kbps)、または WAV(44.1kHz/16bit)で録音が行えます。

録音した音源は一つの長いファイルになっているので、編集には無料の編集ソフトMusiCut™ for Denonを利用すると便利だと思います。


MusiCut™ for Denonでは、トラック分割(手動or自動)や、楽曲のデータを解析してGracenote社の音楽データベースから最適な楽曲情報を取得することができます。
※ 対応OS:Windows 8、Windows 8.1 および Windows 10




↑DP-450USBはUSBメモリーへの録音機能を搭載。MP3とWAVフォーマットでの録音がワンプッシュで行える。




■サウンドステージが広くHi-Fi度が高い音質が味わえる



●音色面については山内さんにおうかがいします。DP-400、DP-450USBはどんな音に仕上がったのでしょうか。



 



山内:デザインシリーズということでDP-400、DP-450USBは一見デザイン重視のトレンディーなレコードプレーヤーに見えますが、音はかなり本格的で、まさにHi-Fiモデルのエントリーにふさわしいレコードプレーヤーだと言えるでしょう。

技術的な詳細は岡芹から説明がありましたが、レコードの再生とはつまるところ「正確な回転数」と「考えうる限りの歪みの除去」の2つが大切なのです。


今回のDP-400、DP-450USBはそういった基本をしっかりと見つめ直したモデルとなりました。



●本格的な音、とは具体的にはどういうことでしょうか。


山内:この価格帯ではちょっと意外でもあったのですが、DP-400、DP-450USBでレコードを再生するとサウンドステージの広がりを感じます。

「スペーシャス」「ヴィヴィッド」という今のデノンサウンドに通じる良さがしっかりと表現されています。


また音抜けの良さや、ボーカル、背景も含めた全体的なバランスも良く整っています。

言い換えると、Hi-Fi度が高いということですね。

岡芹が徹底して基本性能を磨き上げたことが、実際に出てくる音にも現れています。



●PMA-60などのデザインシリーズのプリメインアンプともマッチングがいいということでしょうか。


山内:そのとおりです。レコードプレーヤーというと、なんとなく昔のレコードを聴くということになりがちですが、最近リリースされているような新作のアナログ盤も現代的な音でしっかりと再生できると思います。

同じアルバムのCDとアナログ盤の聴き比べも面白いかもしれませんね。



 

↑記者発表時での試聴の様子。この時のプリメインアンプにはPMA-800NEが使用された。




■アナログレコードには独特の「実体感」や「奥行き感」がある



●アナログレコードの魅力とは、どんなところにあるのでしょうか。


山内:音質的には「実体感」みたいなものを持っているのが特徴だと思います。

それはデジタルやハイレゾ音源を突き詰めて得られるリアリティとも、またちょっと違う部分ではありますが……。


岡芹:私は完全レコード世代なので、CDよりもレコードをたくさん持っています。

LPは確かにCDよりセパレーションは悪いし、ダイナミックレンジも狭いし、SN比だって悪いです。


でも私にとって大切なのは、左右のスピーカーから音が出た時、そこにちゃんとオーケストラがいるかどうか、なんですね。

オーケストラの中のトランペットの位置からトランペットの音が聴こえてほしい。

そういう奥行き感がアナログレコードにはあると思います。まぁ、私がレコードを聴きなれているだけかもしれませんが。



 



●レコードの復権にはそういったアナログレコード独特の音の魅力もあるのでしょうか。


山内:ちょっと変な言い方かもしれないですけど、若い人は普段テレビやパソコン、スマホのスピーカーの音を聞き慣れていますよね。

正直なところ、オーディオ的には音が良いとはとても言えません。


でもレコードを聴くとなると、アンプやスピーカーなどある程度のオーディオシステムが必要になるじゃないですか。

そうやって音楽を聴くとやっぱり音が良いわけです。

ですからオーディオの良さみたいなものを含めて「アナログレコードは音が良い」と言ってくれているのかもしれません。


岡芹:わたしはレコードの音が出るしくみのアナログ性、つまり「こんな仕組みで音が出るのか!」という、見えることの興味が大きいような気がします。

それと音楽好きにとってはアナログレコードを持っていること自体がカッコいいということも、あるのではないでしょうか。



●そういえばダストカバーがLPのジャケットスタンドになるんですよね。


岡芹:そうなんです。ダストカバーを立てると、レコードジャケットのスタンドとして使えるようになっています。

ですからレコードプレーヤーの横にレコードを飾っておくことができます。





↑DP-400、DP-450USBのダストカバーは自立させることができ、ジャケットスタンドとして使用できる。



岡芹:そうだ! 最後に大事なことを言い忘れました。

今回はフルオート機構はやめたのですが、その代わりに、レコードを聞き終わったところで自動的にアームアップするオートリフトアップ機能を搭載しました。

これはトーンアームに影響しないリフター部分にとりつけています。


なぜこれをつけたかというと、私はよく、レコードを聴きながらお酒を飲むのですが、あまりに気持ちよくて寝てしまうんですよ。

そんな時、レコード針が上がらないとプツプツ音がして精神衛生上悪いじゃないですか。それで付けました(笑)。

いらないという人のためにON/OFFはつけてますけどね。



●なるほど、これからは心ゆくまでレコードを聴きながらうたた寝できますね! 今日はありがとうございました。

 

 

(編集部I)

Picture Placeholder: Seiko Fukushima
Seiko Fukushima posted to DP-400、DP-450USB開発者インタビュー 2018/08/20 1:35
 

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