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Denon Official Blog > Posts > 白河オーディオワークスの生産技術
Category Name: 製品の魅力 Posted Date: 2018-03-16




デノンの製品を生産している白河オーディオワークス。

製品開発から製造までを一貫して行うこの工場には、品質の高い製品作りのための効率的な作業手順を開発したり、治具などを作る生産技術というセクションがあります。

今回は設計と製造をつなぐ製品作りの「要」ともいうべき生産技術について3人の匠にインタビューしました。



 

(左から)生産部 生産技術グループ 生産設計課 西村聡一郎、石塚誠、吉田裕二




「生産技術」とは、工場で効率よく高品質な製品を作るためのものです



●デノンオフィシャルブログでは白河オーディオワークスで設計の方や生産現場での取材はしてきましたが、生産技術のお話をうかがうのは初めてです。まず「生産技術とは何か」について、教えていただけますか。


石塚:生産技術では、主に品質を維持しながら、作りやすく、効率的に、コストを抑えて製品を生産することを目指して、製造の工程や治具を開発するセクションです。




生産技術グループ 生産設計課 石塚 誠



●生産技術の仕事は、生産のどのプロセスから始まるのですか。


石塚:以前は製品の概要が決まり、技術者が作った技術試作ができあがった時点、つまり製品開発が終わってからが、生産技術の仕事でした。今は設計の比較的初期の段階から参加しています。



●それはどうしてですか。


石塚:私たちは今、DFM活動というものを行っています。Design for Manufacturing「生産性を考慮した設計」という意味ですが、設計の段階から、コストや作りやすさを考慮するということです。



●開発段階でどんなことを提案するのですか。


石塚:たとえばある部品の条件をこう変えるとより効率的に生産できます、とか。この部品をこっちに少し動かすと、取り付けが簡単になって組み込みが効率的になります、といったことです。



●作りやすくなることで、コストを抑えたり、精度を高めることができるわけですから、結果として製品の品質に直結していることになりますよね。


石塚:はい。そのとおりです。




生産部門の中では、1つの製品に関わる時間はいちばん長いかもしれません。(石塚)



●製造現場では作業する方が指導票を見ながら作業を行っていますが、指導票とはどういうものですか。


石塚:製造の手順を示したもので、プラモデルでいえば、つまり説明書です。


●その指導票はどうやって作るのですか。


石塚:まずは製品をゼロから自分の手で作ってみるんです。

そうするといろいろ生産上のリスク、作業が難しいところなどが見えてくるので、それを設計にフィードバックして改善してもらいながら、さらに治具を開発し、同時に指導票を作成していきます。




↑生産技術部の作業スペース



●一人で作るといっても、大変ですよね。たとえばAVC-X8500Hではどのくらいの部品を使用しているのでしょうか。


石塚:基板部品をいれると約5800点ぐらいあるのではないでしょうか。



●指導票は何枚ぐらいになりますか。


石塚:指導票は約300枚ぐらいです。また、機械が自動的に部品を基板へ搭載する実装機のプログラムを作成するのも、私たち生産技術の仕事になります。



●生産技術の仕事が終わるのはどのあたりですか。


石塚:量産テスト(パイロットラン)をして最終のものができると、8、9割はできたことになります。



●残りの1、2割はどんなことですか。


西村:あとは仕向地(製品を発売する地域)違いの製品があります。世界の各地域や国で電圧や部品が変わりますので。



●1つの製品に関わっている時間がものすごく長いですね。


石塚:はい、開発初期から、仕向け違いの生産までですから、製品に関わっている時間は、生産部門では我々が一番長いかもしれませんね。




治具を作る時は、その発想が出るまでに時間がかかります。(吉田)



●主な治具は吉田さんが自分で作られているそうですね。最近発売されたAVアンプのフラッグシップモデルのAVC-X8500Hではどのくらいの治具が使われているのでしょうか。



吉田: AVC-X8500Hですと、細かいものまでいれれば24ぐらいの治具を使っています。

治具といっても、ただ受けるもの、ネジを締めるための位置を決めるものだったり、隙間を調整するためのものだったりと、いろんな種類の治具があります。




生産技術グループ 生産設備課 吉田裕二



●治具の制作は設計者から依頼されるのですか。



吉田:設計者が新製品を構想している時に、ここは治具が必要になりそうだ、という時点で相談をもらいます。

そこでどういう治具なら効率よく、作業者が間違えることなく作業できるか。設計の意図を汲み取り、治具を自分で考えます。



●では「こういう治具を作ってほしい」と設計に依頼されるだけではなく、解決したい課題のみを伝えられる場合もあるんですね。


吉田:そうなんです。ですからどういう治具がいちばん一番良いか、自分で考えなくてはいけないんです。

たとえばAVC-X8500Hの開発に際しては、「今まで9chのアンプが入っていたのと同じ寸法に13chのアンプを入れたいのだがなんとかならないか」という相談を受けました。

これは結構難題でした。この時は設計といっしょに構造を考え、そこに組み込むための治具を制作しました。




↑AVC-X8500Hのアンプ部分の組み込み工程。治具を使って13chのL字型アンプ基盤を組み込む



●それは大変ですよね。


吉田:はい。でも私たちは基本的に「できない」とは言いたくありません。なんとかします。

その結果できあがった治具は意外と単純なものに見えるかもしれませんが、その発想が出るまでに結構時間がかかります。


AVC-X8500Hのアンプは基板がL字になっていて複雑だったので大変でしたが、結果としては1chあたりの作業時間は今までと変わりません。

製造現場の協力もあり、各作業者の技能レベルも高いので、作業が複雑になっても効率を落とさず生産が行えています。



●まるで難しいパズルを解くような仕事ですね。今まで一番作るのが大変だった治具はなんですか。


吉田: 今お話ししたAVC-X8500Hのラジエーターの自動ネジ締めか、同じくAVC-X8500Hのボトムシャーシの自動ネジ締め工程で使う治具ですね。

ボトムシャーシは3つのプレートを一気に自動ネジ締め機でネジ止めするのですが、ネジを締める前にファンの位置決めなどが必要で、その治具を作るのが大変でした。




↑AVC-X8500Hのボトムシャーシ。4基のファンを含め3枚のプレートが一気にネジ止めされる。



↑AVC-X8500Hのボトムシャーシの自動ネジ止めのための治具。透明のアクリルで作られている。




新しい製品が出てくるたびに、ああしよう、こうしようと、自動化や検査のことをよく考えます。(西村)



●西村さんは、検査工程や自動化に携わっていると聞きましたが、どんな時にこの仕事をやっていてよかったと思いますか。



西村:私は機械にやらせること、自動化、自動検査などに携わっています。作業の現場から「効率が良くなった」と言われると、これは非常に嬉しいです。

私は生産技術が天職だと思っているので、いろんな機能が搭載された新しい製品が出てくるたびに、ああしよう、こうしようと、自動化や検査のことをよく考えます。




生産技術グループ 生産設備課 西村聡一郎 生産工程の自動化などを担当する



●たとえば今まで、どんな自動化を実現してきたのでしょうか。


西村:たとえばパワーアンプのラジエーターの調整です。

Hi-Fiのアンプは2chですから両手を使えば同時に調整できるのですが、AVアンプには7chとか9chとか、AVC-X8500Hでは13chもパワーアンプがありますが、それぞれのアンプの出力を同時に合わせなくてはいけません。


設計の仕様では1分間以内に全部合わせる必要がありますが、これを作業者が一人で調整するのはかなり難しいので自動化を行いました。



●自動化はそのまま、コストや品質に関わってきますよね。


西村:はい。コストを抑えて高い品質を実現するために、自動化は重要だと思います。

AVC-X8500Hのボトムシャーシには57本ものネジを締めるのですが、設計の初期は自動化が難しいと想定していました。


しかし、吉田が治具を開発することで自動化を実現できました。

人間がやるか、自動化するかではずいぶん作業時間に差がでますし、人がやるとバラツキもでますから、自動化によるコストや品質面のメリットは大きいです。




↑AVC-X8500Hのボトムシャーシのネジ止めは自動ネジしめ機で自動化されている。




生産技術の醍醐味は、多くのお客様に使っていただく製品の品質に関わることができること。



●西村さんは、生産技術の仕事をしていてよかったと思うのはどんな点ですか。


西村:生産技術にいると、白河オーディオワークスで生産するほぼ全ての製品に関わることができます。

さまざまな製品で、多くのお客様に使っていただく製品の品質に関わることができるのが、この仕事の醍醐味だと思います。




西村聡一郎



●吉田さんは、ご自身の仕事の醍醐味はどんなところだと思いますか。


吉田:我々は生産技術として設計者と製造の間に立つわけですが、私の場合、治具の制作を通じて設計側からも製造側からも「前はこうだったけど、今回はこうできない?」などと相談されます。

製品に関わるみんなの思いを、治具づくりを通じて橋渡ししている、そんなところにやりがいを感じます。




吉田裕二



●最後に石塚さん、生産技術の醍醐味とはなんでしょうか。


石塚:私は製造側と設計側と、両方の役に立てるということです。

まずは製造側ですが、我々はいろんな治具や新しい仕組みを作りますが、結局現場が使いにくいと感じるものは、使われなくなってしまうんです。


ですからある治具や仕事の仕組みが長年引き継がれていたとしたら、このやり方は正しかったということになります。そういうものができた時は嬉しいですね。




石塚誠



設計側に関しては、協力することによってより良い製品作りができるということです。

以前デノンの公式ブログを読んでいたら、開発者のインタビューに「白河工場は設計から生産まで一貫している、だからいい製品ができる」と書いてありました。


これはありがたいなと思いましたね。

私たちは設計者と毎日のように顔を合わせますが普段、面と向かってそういうことって言わないじゃないですか。

ああ、こういう風に思ってもらっていたんだな、とわかって嬉しかったです。



●本日は貴重なお話ありがとうございました!




白河生産モデル
13.2 ch AVサラウンドアンプ

AVC-X8500H
希望小売価格:480,000 円(税抜) NEW


製品の詳細についてはこちらをご覧ください。


 

(編集部I)

Picture Placeholder: Seiko Fukushima
Seiko Fukushima posted to 白河オーディオワークスの生産技術 2018/03/16 3:44
 

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