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Denon Official Blog > Posts > AVR-X6300H、AVR-X4300H開発者インタビューPart.1
Category Name: 製品の魅力 Posted Date: 2016-10-12

 

 

11ch パワーアンプ搭載のAVアンプAVR-X6300Hと9chパワーアンプ搭載のAVR-X4300Hが発表されました。

デノンのAVアンプのフラッグシップモデルであるAVR-X7200W(9ch)を超える11chパワーアンプを搭載したAVR-X6300Hを中心に、これらのモデルの設計・開発を担当した高橋佑規にインタビューしました。

 

  

11.2ch AV サラウンドレシーバー
AVR-X6300H
280,000 円(税抜価格)  10 月中旬発売予定
詳しい製品情報はこちらをご覧ください。

 

 

9.2ch AV サラウンドレシーバー
AVR-X4300H
160,000 円(税抜価格)  10 月中旬発売予定
詳しい 製品情報はこちらをご覧ください。


 


D&M  CSBUデザインセンター 技師 高橋佑規



■先日行われた記者発表の試聴会ではサブウーハーを使用せずにAVR-X6300Hの音だけで映画を試聴するシーンがありましたが、低音までしっかり鳴らしきっていて驚きました。

 

高橋:AVR-X6300Hの低域の駆動力を聴いていただこうと思い、とっさにその場で思いついてやってみました。
AVアンプは通常パワードのサブウーハーを使っていますので、なかなかアンプ本来の低域再生能力を確認することがないですから。

AVR-X6300Hは低域の駆動力もあってアンプとしての素性の良さがおわかりいただけたかと思います。

 

■ちなみにデノンのAVレシーバーで 6000番台というのは初めてではないでしょうか。

高橋:日本国内では今までありませんでした。海外では 9チャンネルアンプで  AVR-X6200Wというモデルがありましたが、ついに今回からは6000番台のモデルが日本でも発売となります。

 

 

 

 

 

■AVR-X6300Hでいちばんのフィーチャーはやはり11チャンネルのアンプを搭載したことでしょうか。

高橋:そこが一番大きいと思います。チャンネル数で言えばフラッグシップモデルのAVR-X7200Wが 9チャンネルですから、フラッグシップモデルを上回っていることになります。

ただしAVR-X7200Wはコンデンサーなどにおけるオーディオライクなパーツ選定やDACのクオリティ、そしてパワーアンプの出力も大きいので、フラッグシップモデルとしての優位性は揺るがないと思います。


■AVR-X6300Hが搭載している11チャンネルアンプにはどんなメリットがあるのでしょうか。

 

高橋:外部アンプを追加することなく本体だけで7.1.4チャンネルが再生できることが大きいと思います。
ドルビーアトモスやDTS:Xなど、最新のオブジェクトオーディオでは、天井からのスピーカー再生がリアリティやイマーシヴ感(音の包まれ感)に大きく寄与しているわけですが、上からのスピーカーが7.1.2のように 2 つしかないか、それとも4つあるかは非常に大きな違いになると思います。


■確かに試聴会でのサラウンド音場の再生は非常にリアルでした。特にヘリコプターが上空で旋回するシーンは7.1.4でなければあそこまでダイナミックに再生できないと思います。

高橋:それと内部のプロセッシングやDACからアンプまで全部が11チャンネルになったので、信号のシンプル&ストレート化がより徹底できたのもいい点だと思います。

■ところでAVR-X6300Hのポイントとしては、小型化もあるのではないでしょうか。

 

高橋:その通りです。AVR-X7200Wと同等の特性で、しかもチャンネル数を増やしながらAVR-X4200Wのサイズにまでコンパクト化する、というのがAVR-X6300Hの開発コンセプトでした。

■サウンドクオリティを守りながら小さくするのはかなり大変だったのではないでしょうか。

高橋:大まかな構造はAVR-X7200Wと同じにしましたので、部品の高さをなるべく抑えながら、ギュッと詰めていく感じでしたね。むしろパズルのように綺麗に小さく収めていくのが楽しかったです。

スピーカーターミナルの基板などはAVR-X7200Wと同じレイアウトで設計していますが、そのあたりはコスト圧縮にも役立っています。

 

 


↑モノリス・コンストラクションのパワーアンプ部

 

 

■パワーアンプ部もAVR-X7200Wと同様にチャンネルごとに同じ構成の基板を独立させたモノリス・コンストラクション構成を採用していますが、このあたりは特に大変だったのではないでしょうか。

高橋:サラウンドとして全チャンネルに同じ能力を持たせる、ということを徹底させるのであれば、まったく同じ基板のアンプを別々に搭載するのが究極ですし、AVR-X6300Hでは電源と信号の取りだしもそれぞれ個別に独立して行っています。

■さらにAVR-X6300Hのほうが 2チャンネル多いですよね。

高橋:そうなんですよ。ですからチェッカーフラッグの模様のように、ヒートシンクに対して互い違いに装着することで設置面積を小さくしました。
これはスペースの問題から「こうするしかない」と思ってとった苦肉の策ではありましたが、実際に測定してみても特性は悪くありませんでした。

 

 


↑パワーアンプ用のチップがチェッカーフラッグの模様のように互い違いにずれて配置されている

 

 

■小型化といっても、パワーアンプの場合は内部の熱を冷やす空気の通り道を確保しなければいけないので、隙間なく部品を詰めていけばいい、というわけではないですよね。

高橋:そこがアンプでは重要なポイントであると考えます。しかし逆に言えば「温度管理さえしっかりすれば、ギリギリまで小さくできる」とも言えるわけです。


デノンはまず第1にデバイスの保護の観点から、そして第2には音質の観点から、瞬間的な大電流を抑える働きを持つリミッターを取り外そうと努力してきました。
従来はヒートシンクに温度センサーを付けてアンプ内部の温度を監視していましたが、たとえば急に大きな音を再生した時、瞬間的にトランジスターの温度は上がるはずですが、それはヒートシンクの温度センサーではわかりません。

この方法では温度の急激な変化には即応できませんから、どうしても瞬間的な大電流を抑えるリミッター回路が必要となります。私たちは現在トランジスターの足に温度センサーを取り付けて温度の監視をしています。

それによって即応性が高くて厳密な温度監視ができるようになりましたので、リミッター回路を外し、デバイスの破損を防ぎながら、立ち上がりのいいパンチのいい音も実現しています。
そしてこれは同時に小型化にも大きく貢献しているといえるでしょう。

 

 

 

 

■そのほかに、AVR-X6300Hで苦労した点はありますか?

高橋:デノンのAVアンプの設計思想としてエポックメイキングなこととしては、サラウンド回路を構成する一つ一つのブロックを高性能な集積回路の組み合わせで完成させた「D.D.S.C.-HD(Dynamic Discrete Surround Circuit)」を採用したことが挙げられると思います。

■それは具体的にどんなことでしょうか。

 

高橋:AVアンプの基幹的な部分ですが、今まではボリウム、入力のセレクター、出力のセレクターの機能を1チップで処理する複合デバイスで実現していました。これをセレクター、ボリウムと、機能ごとに切り分けたものを使うようにしたということです。

 

■そこにはどんなメリットがあるのでしょうか。

 

高橋:今までのワンチップの方法はたしかに便利ですしコスト面でも有利なのですが、信号経路としては、入力、ボリウム、出力、とプロセスのたびにいちいちそのチップにまで戻って経由することになります。

それを入力スイッチ、ボリウム、出力スイッチと機能に分けたチップを使えば、いわゆるオーセンティックなオーディオのように回路上の置くべき場所に置くことができようになります。

さらに言えばボリウムはボリウムに特化したチップになりますから、性能も上がりますし、チップ内部での余計な経路や電力も必要なくなります。



■これは贅沢というか、かなりオーディオ的なアプローチと言えるのではないでしょうか。

 

高橋:ワンチップにどんどん集積して、そこですべてを処理する方向を進めていく考え方も、もちろん設計思想としてはあると思います。でも我々は「オーディオ」をやりたいので、あえて機能的に切り分ける方向にしました。

とはいえ、これは我々デノンだけではできることではありません。このために新しいチップが必要となるわけですから、半導体メーカーさんの賛同と協力があって、はじめてできたことです。

 


↑記者発表時にD.D.S.C. についてプレゼンテーションする高橋氏


■ということは、これは今回のAVR-X6300Hのため、というわけではなく?

高橋:D.D.S.C. については、AVR-X6300Hの開発よりもかなり前から進めていました。半導体メーカーさんとしても採算がとれなくては開発できませんので、実は今までに何度か断られつつ、時間をかけてやっと実現に至りました。

■数年越しだったのということでしょうか。

高橋:そうですね。以前からどうしてもやりたいと思っていたことでしたので、やっと念願が叶った、という感じです。
今回ちょうどAVR-X6300Hの開発とタイミングがあったので、ここから採用しました。

 

■一見地味に見えますが、かなり大きな進化ではないでしょうか。

 

高橋:意義はあると思いますし、オーディオの設計者なら、みんな考えていることではないでしょうか。

ボリウムやセレクターの機能をワンチップの集積回路から、汎用性の高い回路を機能別にディスクリートで組み合わせて使うという流れは、もしかしたらAVレシーバーのボリウム設計におけるパラダイムシフトになるかもしれません。

それに今回開発してもらったチップは汎用性が非常に高いですから、他のジャンルの音響機器にも使うことができます。私としても、このチップが今後どんなものに使われていくのか、楽しみにしています。

(Part2に続きます)


↑記者発表ではAVR-X6300H、AVR-X4300Hの内部回路が展示された。


(Denon Official Blog 編集部 I)

Picture Placeholder: Kumiko Tachi
Kumiko Tachi posted to AVR-X6300H、AVR-X4300H開発者インタビューPart.1 2016/10/12 0:46
 

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