Skip Ribbon Commands
Skip to main content

Quick Launch

Denon Official Blog > Posts > サウンドマネージャー山内セレクションVol.1
Category Name: ミュージック Posted Date: 2016-05-13



 

酒蔵で言えば杜氏のように、デノンにはすべての製品の
最終的な音に責任を持って音決めをするサウンドマネージャーがいます。


昨年そのサウンドマネージャーに就任した山内が、
デノン公式ブログの読者のためにHi-Fiオーディオシステムで
味わってほしいCDやファイルミュージックをセレクトしました。
サウンドチェックやデモンストレーションで使用している音源も公開します。

 

 
【今回のナビゲーター】 GPD エンジニアリング デノンサウンドマネージャー 山内慎一

■山内さんがサウンドマネージャーになって1年ほど経ちましたが、
新製品のデモンストレーションなどで使われる音源が
今までとは変わってきたように思います。


そこで今回デノン公式ブログの読者のみなさんに、
山内さんが日頃どんな音楽を聴いているのか、
その曲のどのあたりに注目して聴くと楽しいのか、
などを、本社の試聴室で音源を実際に聴きながら、うかがいたいと思います。

山内:よろしくお願いします。
 


■ちなみに今回の試聴環境を教えてください。

 

山内: DCD-2500NE、DCD-SX11、そしてPMA-2500NEです。
そしてスピーカーはB&W 802SDです。
それから音楽ファイルの再生はMacBook AirでアプリはAudirvanaを使います。

 
↑デノン本社試聴室 試聴当日のセッティング
 


■ではよろしくお願いします。

山内:導入部はクラシックにしましょうか。
ユジャ・ワンという中国の女性クラシックピアニストがいます。
彼女のアルバム『ファンタジア』を聴いてみましょう。



アーティスト名:ユジャ・ワン
アルバム・タイトル:ファンタジア
ユニバーサルミュージック

 

 

■(試聴が終わって)非常に躍動感のある演奏ですね。
 
山内:今聴いたのはドメニコ・スカラッティのソナタでしたが、
とにかく彼女のテクニックは素晴らしいです。

しかも演奏が非常にモダンで、思わず引きこまれてしまいますね。
この曲は17世紀の作品ですが、彼女が弾くと、まるで現代の曲のように聴こえます。

私たちは最近、新しいデノンのサウンドを表現するキーワードで
「Vivid」という言葉を使っていますが、
ユジャ・ワンの演奏は、まさに「Vivid」な演奏だと言えるでしょう。

 

※デノンサウンドのキーワード「Vivid」については以下をご覧ください。
デノンサウンドマネージャー、山内慎一インタビューvol.1


■次は何をご紹介してくださるのでしょうか。

 

山内:ガラっと変わってマッシヴ・アタックです。

 


アーティスト名:マッシヴ・アタック
アルバム・タイトル:ヘリゴランド
ユニバーサルミュージック

 

■ガラっと変わりましたね! これはロック系ですか。

山内:イギリスのグループで、ロック色は確かに濃いですが
ジャンルとしてはダンスエレクトロといわれるようです。

そのマッシヴ・アタックの2010年の作品『ヘリゴランド』を聴いてみます。
このアルバムにはブラーのボーカルのデーモン・アルバーンなどがフィーチャーされていますが、
今日は女性ボーカルMartina-Topley-Birdがフィーチャーされた5曲目の「サイケ」を聴いてみましょう。

 

 

■(試聴が終わって)かなりエレクトロニカな感じの演奏ですね。
空間的にデザインされた音像が凄かったです。

山内:マッシヴ・アタックは音が重いというか、低音がかなり入っているので、
オーディオの再生に向いた音源だと思います。

私は彼らの音楽性も気に入っていますが、なにより彼らのこのアルバムの音は非常にクリアなので、
オーディオシステムの試聴やデモンストレーションなどで、とても使いやすいです。

音質と音楽の質のバランスがいいんですよね。
ちなみに坂本龍一・高橋幸宏が参加している曲も入っていますが、
これもなかなかいい曲です。

 

 

■そして次は何をご紹介してくださるのでしょうか。

山内:日本のアンビエントを聴きましょうか。Ametsubです。

アーティスト名:Ametsub
アルバム・タイトル:The Nothings of the North
Label : nothings66

 

 

■(試聴が終わって)アンビエントミュージックなのにメロディや和声が感じられて、とても面白かったです。

また音も定位が空間的に配置されていて、しかも奥行き感や動いている音もあって
空間感を示すデノンのもう一つのキーワード、 「Spacious」を連想しました。


山内:今聴いた曲は『Snowy Lava』という曲でしたが、こういった曲では、音のヌケが大切で、
金属的な音がこもらないで、 スコンと気持ちよく出してあげたいんですね。
そのあたりがチェックできます。

また再生帯域が広くてフラットであることも重要です。
さらに音が上の方に伸び伸びとしていて、窮屈でない空間感も必要です。
そうした空間的な再生能力もこの曲では問われるところです。

そういった意味でデノンのサウンドの新しいキーワードである
「Spacious」が味わえる音源といえるでしょう。

この曲は音決めするときの試聴音源用でも使いますが、
個人的にとても好みの音楽なので、むしろ製品ができあがってきた時、
自分へのご褒美というか、できあがったときの楽しみとして聞きたい音楽です。

 

 

■そして次は何が聴けるのでしょうか。

 

山内:ビヨークにしましょう。
ビヨークの「ヴァルニキュラ」というCDですが、
これはハイレゾ版もありますので、
今日はハイレゾで聴いてみましょうか。これはFLACの96.0kHz/24bitです。


アーティスト名:Bjork
アルバム・タイトル:ヴァルニキュラ
ソニーミュージック
http://www.sonymusic.co.jp/artist/bjork/discography/SICP-4421
http://hr.sonymusic.co.jp/product/7326


■(試聴が終わって)もともとCDでもいい音でした。凄く低い音が聞こえましたね。

山内:1曲目の『Stonemilker』を聴きましたが
ハイレゾらしい音が楽しめたと思います。

今ハイレゾがブームで「ハイレゾならなんでも音が良い」という風潮がありますが、
実はデータを収める器が大きくなるだけなので、元々録音がいいCDでないと、
ハイレゾで聴いてもいい音は楽しめません。

そういう意味でビヨークは、もともと音響にすごくこだわっていますし、
このCDはとてもいい音でしたので、ハイレゾで聴く価値があると思います。
CDとハイレゾでの音の違いを楽しむのに適したアルバムではないでしょうか。

私の意見としては、ビヨークは過激ではありますが、
表現のコアは非常にオーソドックスだと思っています。

感性が豊かで新しい物をどん欲に取り入れていくのがビヨークの魅力ですが、
それも彼女の表現の核心がしっかりしているからできるのだと思います。

 

 

■そして次は?

山内:じゃJAMいきましょうか。

■え? あのパンクロックバンドのJAMですか。

山内:そうです。彼らのアルバム『オール・モッド・コンズ』から
タイトル曲と『イングリッシュローズ』を聴いてみましょう。
シンプルなサウンドをHi-Fiシステムで味わってみてください。

 


アーティスト名:THE JAM
アルバム・タイトル:オール・モッド・コンズ
ユニバーサルミュージック

 

 

■(試聴が終わって)スカっとして気持ちが良いですね。

山内: 1978年のアルバムですから、JAMの絶頂期といえるでしょう。
JAMはイギリスでは庶民的でとても人気があるバンドでした。

サウンド面でも非常にタイトで、キレがあり、ある種の潔さを感じます。
あまりいじっていない、生なサウンドですね。

このレコーディングは、当時のバンドをよく捉えていて、
サウンドに実体感があり、演奏者の気持ちを映していてビビッドさや勢いを感じます。
 
 

■あとはどんな曲をご紹介いただけますか。

 

山内: あとはアンビエントを2 つ紹介して今回は終わりにしましょう。
まずは杉本佳一さんという方のソロユニットで
Four Colorの『As Pleat』というアルバムを聴いてください。

「Iris」という曲を聴きますが、
この曲はアンビエントですが女性ボーカルが入っています。
ボーカルといってもほとんどボイスのような感じですけれど。

 


アーティスト名:Four Color
アルバム・タイトル:As Pleat
frolicfon

 

■(試聴が終わって)淡々とした音楽ですが風景が見えるようでした。

山内:楽しみ方としてはサウンドスケープという感じでしょうか。

音楽としての起伏が普通とは異なるので若干、
オーディオ的には厳しい点もあるんですが、
個人的にはこういうものが気に入っています。

■アンビエントやテクノでは日本にもクオリティの高い作品がありますね。

山内:日本人ってアンビエントに向いているような気がします。
欧米の音楽家に拮抗する、クオリティの高い音楽を作っている人が大勢いますよね。
 
日本人らしく細かい部分にこだわるのが、日本のアンビエントの特長だと思います。
逆に欧米系は同じアンビエントやグリッチで音が少なくても、
骨格が非常にしっかりしていると感じます。

欧米のアンビエントは構築的なんでしょうね。
というわけで、最後は欧米系のアンビエントもしくはグリッチのSNDの『Tender love』
欧米系のSNDを聴いてみたいと思います。

 

 
 
アーティスト名:SND
アルバム・タイトル:Tender love
Import

 

■これは、シンプルを極めたような曲ですね。

山内:SNDのアンビエントは本当に骨格だけです。 非常に欧米的な発想と言えるでしょう。

部分だけ聴くと分かりにくいですが、 1曲通して聴くと聴き応えがあります。
残念ながらこのアルバムはほとんど流通していないと思いますが(笑)。

 

■このようなアンビエントやエレクトロニカを
試聴やデモで使うのはどうしてですか。

 

山内:これは私の単なる意見なのですが、
現在おもしろいと捉えられる音楽って、このような2000年代に登場した
エレクトロやアンビエントなどの影響を受け、それを通過した音楽が多いと思うんです。

たとえばRadioheadなどはそれを取り込んでいます。
ビヨークもエレクトロを上手に取り込んでいる。
それをどこまで昇華できているか。それが大事かなと。

 

 

 

■それは70年代のパンクの登場の衝撃に似たものがありますね。

 

山内:そうなんです。これも音楽であり、ポップであると言えるのか。
現状の音楽を解体してみるようなアプローチや
それによりもたらされる新鮮なスリルもキーですが、
出てきた時には、一時的に「こんなの音楽じゃない」っていう反応も当然でてくる。

そこが面白いし、そのくらいの意見がでてくるムーブメントでないと、
新しい物とは言えないのではないかと思います。
 
ですから私は、私たちが作り上げた最新のオーディオで、
新しい音楽を聴きたいと思うし、
みなさまにもぜひ聴いていただきたいと思うんです。

 

 

■ありがとうございました。ぜひまたパート2もやらせてください。

 

 

(Denon Official Blog 編集部 I)

Picture Placeholder: Kumiko Tachi
Kumiko Tachi posted to サウンドマネージャー山内セレクションVol.1 2016/05/13 1:44
 

 デノン公式サイト一覧

 
 

 アーカイブ

 
 

  RSS Feed

 

 

 関連記事