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Denon Official Blog > Posts > デノンのアナログレコードサンプラーができるまで Part.2
Category Name: ミュージック Posted Date: 2014-10-28



フラッグシップ・プリメインアンプ「PMA-SX1」の発売を記念して

制作されている限定プレス・アナログレコード「デノンミュージックサンプラー Vol.2」。

Part.1はこちら


キャンペーン対象期間中にPMA-SX1展示店にてPMA-SX1をご購入のうえ、

ご応募いただいた方全員にプレゼントされる、特別制作のアナログレコードです。

日本コロムビア株式会社との全面協力により、現在鋭意制作中! 

Part.2では収録された各曲の解説や聴き所、そしてアナログレコードのマスタリングにまつわる深いお話までをじっくりと聞いてみました。


対談参加者(Photo左端より)

D&Mホールディングス セールス&マーケティング 国内マーケティンググループ マネージャー 川北 裕司
日本コロムビア A&C本部 スタジオ技術部 技術支援グループ マネージャー 主任技師 冬木真吾
D&Mホールディングス デノン サウンドマネージャー 米田晋
日本コロムビア A&C本部 スタジオ技術部 マスタリングエンジニア 田林正弘



Talking about Track of side “A”.


●ではA面(33回転)の「ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調op.95《新世界より》」から聴き所をご紹介ください。


米田: 1993年にライブ録音された音源ですが、この録音はコロムビアとしても記念碑的な20bitでの最初のレコーディングです。

20bitというダイナミックレンジの広さもあるのですが、ホール感がしっかりと感じられる録音です。

これは2本のメインマイクのみの「ワンポイント録音」という手法で録られていることも大きく寄与しています。


冬木:通常の録音では、多くのマイクロフォンで収音し、それをミックスダウンしてマスターを制作しますが、

ワンポイント録音の場合はメイン・マイクロフォン2本のみを使用します。


米田:マイク2本なら誰でもできそうですが、この2本のマイクのポジショニングがものすごく難しい。

ホールのいちばん音がいい場所にマイクを2本だけ置いて収録することで、ホールの広さ、距離感、高さのイメージがちゃんと取り込まれるんです。

非常に自然な音で、しかもサウンドステージがきちっと再現できる。


ただしバランス変更などの後加工は一切できません。

「ワンポイント録音=コロムビアのクラシック」というイメージが持たれるほど、当時我々のトレードマークとなった録音手法です。



●次は「カヴァティーナ CAVATINA (渡辺香津美)」ですね。この曲が選ばれた理由は?


川北:タイトルだけだと分かりにくいですが、映画『ディア・ハンター』のテーマ曲です。

渡辺香津美さんがオーケストラをバックにアコースティックギターを弾いています。

これはジャズ枠で新しい録音をどれにするか、という視点で選びました。2000年12月の録音です。



川北 裕司


米田:この楽曲は、デノンの設計者がよく音質の検聴で使っているソースで、我々の中ではリファレンス用の曲として有名なものです。



●聴き所はどんなところでしょうか。


米田:ジャンルとしてはジャズですが、バックにオーケストラが入っていて、音場が大きいんですね。

まずギターソロが真ん中にしっかり定位していて、その背景に伴奏のオーケストラがあります。


そのサウンドステージの広さ、オーケストラの壮大さ、

そしてギターソロがセンターでブレることなく再生されているところを感じていただきたいと思います


冬木:このアルバムは最初はCD、その後SACDにもなっています。
このアナログディスクを含め、CD、SACD、アナログとメディアごとの音を聴き比べするのも、楽しいのではないでしょうか。


Talking about Track of side “B”.


●引き続きB面(45回転)ですが、まず「川の流れのように (美空ひばり)」ですね。


米田:日本のスタンダードであり、コロムビアを象徴する楽曲でもあります。今回の選曲でも最初に決まりました。

昨年のDCD-SX1の発売記念キャンペーンのCD「DCD-SX1 MUSIC SAMPLER」にも収録されています。


 

米田晋



川北:DCD-SX1 MUSIC SAMPLERでのマスタリングは、

DCD-SX1などのHi-Fiオーディオ用を意識したものでしたので、市販のCDとは音質が異なります。

こちらもCD、DCD-SX1 MUSIC SAMPLER、

そして今回のアナログレコード、と多彩なメディアで音質を聴き比べていただけると思います。


また「川の流れのように」のアナログLPレコードでの45回転収録は他にはありませんので、

その意味でも価値ある一曲になったと思います。



●次はジャズトロンボーンの「ファイブ・スポット・アフター・ダーク'93(カーティス・フラー)」です。


米田:カーティス・フラーの歴史的な名盤に1959年録音の「ブルースエット」があります。

今回選んだのは、93年に、当時とほぼ同じメンバーで収録された「ブルースエット2」から選びました。


川北:このアルバムはCDだけでしか発売されていませんので、アナログLPで聴けるのはこのディスクだけとなっています。



●聴き所はどのあたりでしょうか。


米田:低音の濃厚なこってり感ですね。

このアルバムはスイングジャーナル誌のジャズ・ディスク大賞最優秀録音賞も受賞しており、録音としても優れています。



●アナログディスクで聴く低音はCDとは違いますか。


田林:アナログ感としか言いようがありませんが、あえて言葉にすれば生々しい感じですね。

ベースも立ち上がりよりは、デジタルとは違う低域の深みが聴き所でしょうか。



田林正弘


●最後は「OVERJOYED(SHANTI)」です。


川北:こちらは最新の録音によるボーカルもののポップスということで選曲しました。

これも昨年のDCD-SX1 MUSIC SAMPLERにも収録しています。

前回は96kHz/24bitのハイレゾで収録しましたので、

DCD-SX1 MUSIC SAMPLERをお持ちのお客様は全く同じ楽曲でハイレゾ音源とアナログレコードの聴き比べが楽しめます。



Talking about Analog Mastering.


●今回アナログレコードのマスタリングと言うことで、苦労した点があったら教えてください。


田林:やはりCDとアナログディスクでは特性が違いますので、

CDと同じセッティングでアナログディスクのマスタリングをしてもいい結果は得られません。

またアナログディスクはカッティングという実際に盤に溝を切る作業がありますから、かなり経験と技術が必要です。


その点コロムビアはカッティングから始まった会社です。

このあたりはコロムビアが培ってきた音の匠の技が光るところだと言えるでしょう。


それにしてもカッティングは物理的に溝を切っていく作業なので、DAWのようにやり直しは効かないし、

いったん始まったら片面最初から最後までの一筆書きですから、本当に神経を使います。

隣の音溝と干渉したら針飛びしてNGになってしまいます。そういう意味ではCDよりも何倍も難しい気がします。




 

●この対談の前に、ちょうどカッティング作業をしていたと聞きました。


田林:そうなんです。先ほどこの部屋で実際にテスト盤をカットし、音溝を顕微鏡で確認し、再生してサウンドをチェックし、

OKとなったので、実際にプレス工場に送る盤をカットしました。


冬木:ここがアナログレコードの面白いところなんですが、テスト盤は聴けても、

プレス工場に送る最終の盤は工程上、針が通せないんです。


だから徹底的に音にこだわって作っても、最後の最後はチェックできない。

これもまた、アナログらしいミステリアスなところです。



カッティングしたラッカー盤の溝を顕微鏡で確認する田林マスタリングエンジニア。

調整した音が、盤に正確に刻まれているかどうかは、目で確認する。



●テスト盤を検聴してみて、やはりデジタルとは違いましたか。

田林:やはりアナログならではの良さがあると感じました。
コロムビアのエンジニアの中でよく言われるのが「デジタルの究極はアナログ」という言葉です。
今はデジタルもハイサンプリング、ハイビットになってきていますので、かなりアナログに近くなっていますが、
まだまだ「アナログ=連続信号」の持つ滑らかさや暖かみは出せていないと思います。

米田:アナログディスクは、聴く人に努力を要求するんですよ。
だから面白いし、いい音を聴くための努力があるから、いい音が出る、とも言えます。

例えばCDは赤ちゃんだってボタンを押せば再生できる。
しかもSNがいい、回転ムラがない、扱いも簡単です。

その一方でアナログレコードはラフに扱えばラフな音しか出ない。
いい音で聴きたかったら、寒い部屋だったら針圧を高くし、カートリッジを温める、といった工夫が必要になります。

でも逆に言えば「音楽をいい音で楽しみたい」という気持ちの強さや努力が音に反映してくるわけです。
そこがデジタルとの違いではないかと思います。


●最後に一言ずつ、このレコードを手にされた方へメッセージをお願いします。


田林:アナログらしさを十分考慮しながら今回カッティングしたので、

せひアナログ特有の暖かみとか深みを聴いていただきたいと思います。


米田:このサンプラーは今の技術で作られた最良の音質のレコードといっていいと思います。

このアルバムを聴いて「アナログレコードってこれだけの音楽的なエネルギーが詰め込まれているのか」と感じていただけたら幸いです。


そしてこの機会に、ぜひご自分でお持ちのレコードにも針を落としてみてください。


丹精込めたPMA-SX1のCR型フォノイコライザーで、

お客さまの宝物であるアナログレコードをもう一度味わっていただきたいと思います。


冬木:アナログの世界って針圧や、カートリッジなどを少し変えるだけですぐに音が変わりますから、いじりがいがあると思うんです。

今回のサンプラーはチェックトラックもありますので、ここを変えたら音がどう変わるのか

などと積極的に探求していただき、あちこちいじっているうちに「えっ、もう朝?」みたいな楽しさを味わってくださればと思います。




川北:私の場合はPMA-SX1の商品企画から入っていました。

以前よりPhono入力にDL103モードがほしいとお店の方に言われて、

それを商品企画の会議で話して、それが実装された、といった過程があったので、

昨年の段階で「PMA-SX1では絶対アナログレコードをプレゼントにする」と、心の中で決めていました(笑)。


ですから私も感慨深いです。

もちろん企画の検証があり、実際の制作作業があったわけで、

それらはサウンドマネージャーの米田やコロムビアの方々の全面的なバックアップがなければ実現しないものでした。


デノンというオーディオメーカーが出すミュージックサンプラーですから、

チェックトラックを含めこの盤がお客さまのHi-Fiオーディオシステムを楽しむ一助となれば幸いです。


 




プリメインアンプ PMA-SX1
(SP:プレミアムシルバー)
希望小売価格 580,000円(税抜) 


PMA-SX1発売記念 「特別制作・限定プレス・アナログレコードプレゼントキャンペーン」
詳細はこちら



(Denon Official Blog 編集部I)

Picture Placeholder: Kumiko Tachi
Kumiko Tachi posted to デノンのアナログレコードサンプラーができるまで Part.2 2014/10/28 2:22
 

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